3次元解析において杭掘削を多角形でモデル化して掘削した場合の変位量の違い
解析全般 2019.12.26 地盤の3次元解析において杭のような細長い円筒形の形状をモデル化する場合、円形をあまり細かく分割すると要素数・節点数が多くなるという問題が生じます。
円形をどの程度に分割すれば、実用上問題ない精度で解析できるかを調べてみました。
解析は、初期応力解析後、孔部分(図-1のメッシュで緑色の要素)を一度に掘削して、地表面および掘削面の変形を求めた。
メッシュは1/4モデルを用いて、円形を4角形、8角形、16角形でモデル化した3ケース(図-1)と正解値として、軸対称で解析したケースを比較した(表-1)。なお、この4ケースは掘削面積が同じになるようにしてある。
地表面・掘削面の変位は、図-1CASE1にある赤線位置の変位を比較した。
①地表面水平変位
4角形のケースにおいて孔端の水平変位量が大きいが、他は近い値になっている。
16角形より8角形のほうが孔端の値が近い。これは、孔端付近の割の影響と思われる。
どのケースもほぼ差が無い結果となっている。
4角形のケースにおいて水平変位が全体的に大きい。軸対称の値が8角形と16角形の間になっている。
正解値と考えられる軸対称の結果にたいして、16角形が最も近く4角形が最も異なる結果になるものと予想しましたが、8角形と16角形ではさほど違いが無い結果になりました。
偏圧等の複雑な初期応力状態の場合にどうなるかの問題はりますが、杭のような細長い円筒形形状の掘削では、8等分程度の分割で十分であるという結果となりました。
(ご)