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Vol.25 「K-NET」地震波データの読み込み

Civil Tips 2020.06.26

 「K-NET」とは国立研究開発法人防災科学技術研究所が運用している全国1000箇所以上の強震観測施設からなる強震観測網です。過去1996年から現在に至るまで、ここで観測された地震波は、Web上で無料ダウンロードできます。

 今回はこの「K-NET」よりダウンロードした地震波ファイルをmidas Civilで読み込み可能なファイルに変換する際の手順と注意事項を以下にまとめました。

1.「K-NET」で地震波ファイルをダウンロードする。
 「K-NET」より地震波ファイルをダウンロードして下さい。ユーザー登録後無料でダウンロードできます。ダウンロード後に圧縮ファイルを解凍し、テキストエディタで開いた内容を図1に示します。ダウンロードの方法はホームページのヘルプを参照ください。なお、「K-NET」のデータに関する質問集も併せて参照ください。

 K-NETホームページ:https://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/
 K-NET質問集:https://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/faq.html

図1 K-NETでダウンロードできる地震波データ

2.エクセルで時刻と加速度を作成する。
2.1ダウンロードしたファイルをエクセルで開き、テキストを分割する。
 ダウンロードしたファイル(図1)をエクセルで編集します。まず、エクセルを開き、ファイル>開く、からダウンロードしたファイルを開きます。ファイルを開くと、テキストファイルウィザードが開きます(図2)。データのファイル形式は、「スペースによって右または左に揃えられた固定長フィールドのデータ」を選択し、「次へ」をクリックしてください。区切り位置は各整数値の末尾に設定して、「完了」をクリックしてください。なお、1~17行のテキストは14行目のScale Factorのみ計算で使用するため、修正を行います(図3)。

図2 テキストファイルウィザード

図3 テキスト分割後

※注意:ダウンロードしたファイルの18行目以降の行で、「行内のすべての整数値に符号が付き(ここでは負)、かつ行の最初の整数値が7桁」の場合、そのファイルをエクセル上にドロップする、もしくはテキストエディタでファイルを開き、テキストをコピー&ペーストすると、エクセルでは上記の条件を満たした行のみ関数として認識し、自動的にその行の頭に「 = 」を挿入する仕様になっています(図4)。そのため、上記の行では整数値が一カラムずれることで、その他の行の整数値と末尾が揃わず、整数値を一様に区切れませんのでご注意ください。

図4 テキストのエクセルへの貼り付け

2.2時刻と加速度を作成し、整列を行う。
 図5の18行目以降に羅列している各整数値①に、14行目のScale Factor ②(ここでは3920/6182761)を乗じます。この値から、平均値③(平均加速度)を引くと入力地震波となる加速度④となります。

 A~H列に8個ずつ並んだデータは、INDIRECT関数を用いて、1列に並べ替えることができます。
 まず、図5の⑤列番号A~Hと行番号18~を作成し、INDIRECT関数で⑤により①の整数値を参照し、上記の計算を行い、加速度を作成します。この加速度と合わせて時刻の列を作成します④。ここで、サンプルデータの時間刻みは⑥より100Hzなので、0.01秒刻みとなります。
 次に、テキスト貼り付け用として時刻と加速度の間に” , ”(カンマ)を挿入した列⑦を作成します。

図5 加速度変換および並び替え例

3.作成したデータを読み込み可能なファイルに変換する。
 まず、テキストエディタでファイルを作成します。図6に示す拡張子”.sgs”もしくは”.thd”のどちらかのファイル形式(オンラインヘルプ>荷重>時刻歴応答解析データ>時刻歴荷重)に従い、ヘッダ情報を作成します。
 2.で作成したテキスト貼り付け用の時刻と加速度のエクセルデータ⑦(図5)をヘッダの*DATAの下に貼り付けます。拡張子”.sgs”の場合は、最後に*ENDDATAを入力してください。
 最後に、ファイルの拡張子を”.txt”からヘッダの形式に合わせて”.sgs”もしくは”.thd”に変換します。図7、図8にそれぞれのファイル作成例を示します。
 なお、注意点としては、エクセルで作成した加速度の単位とテキストファイルのヘッダ情報の単位を合わせてください。

図6 各拡張子の形式

 以上が「K-NET」からダウンロードした地震波ファイルをmidas Civilで読み込み可能なファイルに変換する方法です。

 ちなみに、エクセルで作成した時刻と加速度のエクセルデータ④(図5)をそのまま時刻歴荷重のテーブルに貼り付けても時刻歴荷重は作成できます。ただし、ステップ数が多い場合、テーブル貼り付けに時間を要する場合があります。ステップ数が多い地震波は”.sgs”もしくは”.thd”ファイルを作成した方が、Civilに早く読み込ませることができます。

謝辞:本稿の地震波データは、防災科学技術研究所の強震観測網(K-NET)より使用させていただきました。

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