神保町巡礼(其の三十四)眞踏珈琲店
コラム 2019.09.04遠慮せず長居できる喫茶店はそう多くないですが、ここは店主自ら「12時間営業していますから、12時間いてくださって結構ですよ。」とおっしゃる夢のようなお店です。靖国通りを神保町から小川町へ向かう途中、大通りから一歩路地へ入ったところにある「眞踏(まふみ)珈琲店」です。
開店からまだ3年、神保町では「新参者」ですが、店の雰囲気は至って落ち着いていて、天井まである本棚は店主の蔵書が隙間なく詰め込まれ、店内で読めるだけでなく貸し出しもしてくれるらしいです。店の雰囲気や蔵書の数から想像する店主は「定年後・第二の人生で開業」風なのですが、実際お会いしてみると、まだまだ「好青年」と言っても差し支えない若さでした。
珈琲とケーキを頼みましたが、カップが大好きな大倉陶園で気持ちが上がります。さらに、ベイクドチーズケーキには塩が添えてあり、これをぱらりと振り掛けて食すと格別に美味しくて、店長のセンスの良さが伺えました。さすがに12時間はいられませんでしたが、本棚をじっくり眺め気に入った本を手に取り、楽しい時間を過ごしました。