トラを名乗る意外な昆虫がいます
歳時記 2022.02.24年頭のご挨拶としては遅いですが今年は寅年。「Tiger」を名乗る(?)意外な昆虫のご紹介です。
最初はアサギマダラです。写真のように大きな美しいチョウで、国蝶にノミネートされましたが決勝でオオムラサキに敗れました。このチョウは英語で「Chestnut Tiger 」と言います。直訳すると「栗毛色の虎」で、縞模様と後翅の栗色の部分から来ているようです。一方日本名のアサギというのはシアンの部分を採用(?)しています。この色は古くは浅葱(あさぎ)色と呼んだそうです。旅をするチョウで、和歌山県から香港へ2,500km移動した例があります。
虎柄ならば黄色と黒のアゲハチョウの方が相応しいように思えますが、こちらは「Swallowtail butterfly」。尾状突起のある形状を優先したようです。
次はハンミョウです(正式名トウキョウヒメハンミョウ)。この仲間の英語は「Tiger Beetle」。ハンミョウは肉食で、写真ではわからないですが、体に不相応な大きな刀のような口を持っていて、これで獲物を襲う姿が虎のように見えることが由来と言われています。
漢字では何故か「斑猫」。斑は「まだら」なので分かりますが「猫」はどこから?確かに虎はネコ科ですが、Tigerを猫と訳すのは無理があります。諸説あるのですが、私は「名称は中国語由来でミョウという漢字が日本語になく当て字を使った」という説を支持しています。
(K.B)