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Vol.29 地震動多点入力

Civil Tips 2021.12.20

 通常、midasCivilにおいて地震動による時刻歴解析を行う場合には一つの加速度波形を読み込み、モデルに一様に作用させます。
 今回は同一モデルに複数の地震動を入力した解析事例を紹介します。
 方法としましてはラージマス法を用い、大質量を有する複数の節点に時刻歴荷重を入力します。
 そして通常の加速度一様入力と同等の結果が得られることを確認したいと思います。 なお、多入力地震動という機能がありますが、これは非線形解析が行えないため今回は使用しません。

対象モデル
 今回対象とするのは簡易に計算するため、7節点の要素6@1mの橋脚を2本のみとし、M-φ特性を設定したモデルです。また、各条件を示します。
 ・A=10m2 , I=3.2m4 , E=2.5×107kN/m2
 ・節点質量は図1に示す。
 ・減衰は全体レーリー減衰C=α[K]+β[M]としてα=0.00071,β=1.4とする。
 ・部材の履歴特性は修正武田モデルとし骨格曲線は図2に示す。
 ・入力地震動は鉄道標準に示されるスペクトルIIG2波、G3波をP1、P2それぞれに入力する。
 ・基部は水平ばねK=300,000 kN/m、回転ばねKr=4,000,000 kNm/radとする。

 

解析条件
 解析は3種類実行します。

1.P1単独モデルの基部節点をばね支持とし、G2加速度入力とします。

2.P2単独モデルの基部節点をばね支持とし、G3加速度入力とします。

3.P1,P2を同一ファイル内にて作成し、基部節点を大質量(107ton)節点とばね接続(弾性連結要素)し、多点入力として大質量節点に加速度から換算(F=ma)した時刻歴節点荷重を作用させます。
また大質量節点は自由度をX方向のみとする拘束条件を設定します。

解析結果
 解析結果として天端の変位と橋脚下端のM-φ履歴を出力しました。
 なお変位は多入力モデルではそれぞれの橋脚天端と大質量節点との相対変位を出力しました。

 この結果グラフでは全てのグラフで単独モデルに加速度入力した場合と多入力モデルでほぼ同一の履歴となっており、青い線は見えない結果となっています。デジタルデータで見ますと誤差程度の差は出ていますが、ほぼ同一となりました。
 ということで加速度入力では異なる波を1モデル内で作用させることができませんので、大質量節点を用いて時刻歴節点荷重を作用させることでモデル化することができました。

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