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FEM解析による初期断面力の算出方法

解析全般 2016.11.01

 FEMで地中構造物の動的解析を行う際、初期断面力(常時断面力)はフレーム解析で算出して初期断面力としてFEM解析に入力する手法が多く行われている。しかし、FEM解析ソフト側で初期断面力を入力することが出来ないこともあり、FEM解析で初期断面力を計算しなければならないこともあります。
 ここでは簡単な地中BOX構造物を想定してフレーム解析とFEM解析を行い、両解析における発生断面力にどのような違いが生じるのか調べてみました。

【解析条件】
 検討した解析条件は以下のようである(図-1)。
図1
図-1 解析モデル図

図-1 解析モデル図


 ・構造モデルは線形梁要素でモデル化
 ・考慮する荷重は自重と土圧(水圧は考慮しない)
 ・地盤は、フレーム解析時は地盤バネ、FEM解析時は平面ひずみ要素(線形弾性)でモデル化

 表-1に解析に用いた物性値を示す。
 図-2にフレーム解析時に考慮する土圧、図-3にFEM解析モデルを示す。

表-1 地盤定数
図3
図-2 考慮する土圧

図-2 考慮する土圧

図-3 FEM解析モデル

図-3 FEM解析モデル

(側方:鉛直ローラー 底面:水平鉛直固定)

【解析方法】
 FEM解析では、初期応力状態の作成方法が、発生断面力に与える影響を調べるため、下記の3ケースの載荷パターンを実施した。
・CASE1
 1ステップで全体の自重解析を行う。

図-4-1 CASE1

図-4-1 CASE1

・CASE2
 まず、BOX底板位置までの地盤の自重解析をおこない、次に、地表面までの自重解析を行う。
ステップ1
図7
ステップ2
図-4-2 CASE2

図-4-2 CASE2

・CASE3
 CASE2と同様に、BOX底板位置までの地盤の自重解析をおこない、次にBOXの梁要素のみの自重解析を行い、最後に、地表面までの地盤の自重解析を行う。
ステップ1
図9
ステップ2
図10
ステップ3
図-4-3 CASE3

図-4-3 CASE3

【断面力の結果】
 頂板と底板の曲げモーメントとせん断力はどのケースも比較的近い分布となっているが、側壁及び頂板と底板の軸力がフレーム解析とFEM解析で異なる傾向がある。

表-2 結果のまとめ
図22  今回、施工段階を変えてFEM解析を行ったが、軸力にはバラつきが見られたものの大きくは変わらない結果となった。フレーム計算にFEM解析の結果を近づけるためにはジョイント要素を用いる等の工夫が必要と思われる。

・頂板の発生断面力比較
図12 図13 図14 ・底板の発生断面力比較
図15 図16 図17 ・側壁の発生断面力比較
図18 図19 図20

【おわりに】
 今回の検証ではフレーム解析とFEM解析で特に側壁での断面力が異なる結果となった。
 今後はジョイント要素等で地盤要素と構造物のせん断,引張をカットするなどの手法で検証を行いFEM解析で初期断面力を算出する手法を検討する必要がある。
 また、今回は水圧については考慮せず全応力での検討だったが今後は水圧も考慮してFLIP等の解析ツールでの検討も必要と考えられる。
(SUZ)

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