Vol.16 アーチ構造の再分割
Civil Tips 2015.04.27 円形構造物、アーチ形構造物を解析することはよくあります。そこでメッシュ分割をする際に細かく分割したつもりでも解析を進めていく過程でさらに細かくする場合があります。しかし、このときの分割方法によっては解析結果に大きな違いが出てきます。
ここでは実際の解析結果から比較します。
解析モデル
モデルは半円型のアーチを作成します。
モデリングウィザードのアーチ使用(円、θ=180°)
ここで分割方法を変えて3ケース作成します。
支持条件はピンとします。
荷重条件
荷重ケース1:頂部節点に鉛直荷重
荷重ケース2:圧力(要素法線方向に節点荷重;梁要素荷重>集中荷重>両端)
解析結果
荷重ケース1の解析の結果得られた各モデルのモーメント図、せん断力図、軸力図を以下に示します。
この結果を見ると、どの分割方法でも結果への影響は少ないことがわかります。
荷重ケース1:頂部節点に鉛直荷重
モーメント図
せん断力図
軸力図
次に荷重ケース2の解析の結果得られたモーメント図、せん断力図、軸力図を以下に示します。
これは荷重ケース1の結果と違い10分割半円の要素を2分割したモデルだけ結果が大きく異なっています。
これは、同じ圧力荷重を作用させてもアーチ構造により本来なら軸力となって部材に作用する荷重が10分割半円を2分割した形状ではフラットな部分の中間に節点があるために、その要素にモーメントとせん断力が発生するためです。
従ってアーチ形状作成後に要素を分割する場合には作用させる荷重によっては注意が必要です。
荷重ケース2:圧力(要素法線方向に節点荷重;梁要素荷重>集中荷重>両端載荷)
モーメント図
せん断力図
軸力図
また、シェル要素による円筒形状においても同様です。
解析モデル
荷重条件
(等圧荷重)
解析結果
モーメント図