Vol.13 軸対称解析比較その1
GTS Tips 2021.05.07過去のコラム(Vol.8 軸対称モデルの解析)にて軸対称解析と3次元解析の比較について検証を行った。
今回はより軸対称解析に近いモデルということで円筒型の3次元モデルで比較を行い、分割数による精度の違いについて検証を行った。
1.解析モデル
解析モデルを図1-1、1-2に示す。 解析モデルは掘削範囲を幅6m、深さ10mとして半断面(3Dは1/4断面)をモデル化した。また、地盤は1層モデルとした。

図1-1 軸対称モデル

図1-2 3次元モデル
2.地盤条件
地盤物性値を図2に示す。

図2 地盤物性値
3.解析ケース
CASE1 軸対称解析 図3-1に示す範囲を掘削する解析を軸対称解析で実行する。

図3-1 軸対称解析(掘削)
CASE2 3次元解析(5分割)

図3-2 3次元解析(5分割)
CASE3 3次元解析(10分割)

図3-3 3次元解析(10分割)
CASE4 3次元解析(20分割)

図3-4 3次元解析(20分割)
4.解析結果
CASE1 軸対称解析

図4-1-1 軸対称解析 水平変位コンター図

図4-1-2 軸対称解析 鉛直変位コンター図
CASE2 3次元解析(5分割モデル)

図4-2-1 5分割モデル 水平変位コンター図

図4-2-2 5分割モデル 鉛直変位コンター図
CASE3 3次元解析(10分割モデル)

図4-3-1 10分割モデル 水平変位コンター図

図4-3-2 10分割モデル 鉛直変位コンター図
CASE4 3次元解析(20分割モデル)

図4-4-1 20分割モデル 水平変位コンター図

図4-4-2 20分割モデル 鉛直変位コンター図
・軸対称解析と3次元解析の変位比較

軸対称解析と3次元解析の比較では概ね同じ結果であるが、3次元解析の方が変位量が小さい結果となった。 3次元モデルの分割数については大きな違いはないが、水平変位は分割数が粗い方が軸対称解析の結果に近く、鉛直変位は分割数が細かい方が軸対称解析の結果に近くなった。 今回の検証結果を踏まえて次回は荷重条件による比較や梁要素を用いた比較など行いたい。