Vol.3 解析速度の向上
GTS Tips 2014.06.30 本コラムでは4月に64bit版OSに完全対応してリリースされた「GTSNX」について機能紹介をしています。
前回は【ハイブリットメッシュ】について紹介しました。
従来までのオートメッシュとは異なり6面体を用いたオートメッシュになります。
詳細は前記事をご覧ください。
今回は新機能ではありませんが64bit版OSに完全対応したことによる解析速度の向上についてご紹介します。
GTSNXは64bitに対応したことにより
・解析可能な要素数(節点数)の増加
・モデル作成(ジオメトリ,メッシュ)の速度向上
・解析実行の速度向上
以上の点で格段に性能が上がっています。
その中で今回は解析速度の向上について実際の検証例を含めてご紹介します。
以下に機能紹介のカタログで紹介している解析時間の比較例を示します。
比較例からわかるようにGTSとGTSNXでは解析時間が1/5~1/6になります。
しかし、これは検証の実行環境がわからないので、どのPCでも同様の向上が見られるかどうかはわかりません。
そこで、弊社PCを用いて検証を行ってみました。
検証に使用した解析モデルは以下のとおりです。
解析種別:3次元弾性解析
節点数:120110
要素数:124440
解析ステップ:7ステップ
使用したPCはCorei7 2600 3.4GHzで搭載メモリは8GBと16GBの2種類で検証を行いました。
また、GTSNXのソルバーは並列処理が可能なため1スレッド,2スレッド,4スレッド,6スレッドの4種類で解析を実行しました。
GTSとGTSNXの単純比較では解析時間は約1/2、メモリを8GB→16GBに増やすと解析時間は約1/3となりました。
スレッド数による比較ではメモリ8GBだと2スレッド~6スレッドまでほぼ同じ解析時間となりました。
これはスレッド数を増やすことによって必要なメモリ量が増加することが原因であると考えられ、8GBでは複数スレッドを用いて解析するのに十分なメモリ量ではないと言えます。
メモリ16GBでも4スレッドと6スレッドは同じ解析時間となっているためメモリが不足していると考えられます。
今回検証に使用したパソコンは最大メモリ16GBであったためこれ以上の検討は出来なかったが、もっと多くのメモリを搭載できるパソコンであればさらに解析時間を短縮できる可能性があります。
解析時間は従来のGTSと比較すると最大1/5~1/6に短縮可能であり、より大規模なモデルや詳細なモデルでの解析が出来るようになったと言えるのではないかと思います。
ご興味お持ちの方はお気軽に「GTSNX」についてお問い合わせください。