男坂&女坂
コラム 2019.12.03
男坂・女坂は、登山道や高い場所にある神社などの参道に多く見られます。男坂が一直線の急坂であるのに対し、女坂は途中で中休みができるゆるやかな坂というように名づけられています。男坂と女坂はセットでつくられることがほとんどで、今でいうバリアフリーのスロープを設けるのと似たような発想だったようですね。
神保町と御茶ノ水の中間あたりに、並行して男坂・女坂があります。関東大震災の復興区画整理事業によって1924年に完成した階段で、本郷台地南端の崖の上下をつなぐ役割を担っています。一方の階段は直線で急勾配、もう一方は緩やかな勾配だったことから、参道の男坂・女坂にちなんで命名されたそうです。神社仏閣と関係なく命名された、特異な(?)階段と言えるかもしれません。
男坂は73段あり建物6階分ぐらいの高さになっているのに対し、女坂は踊り場が2つあり鋭い角度でカーブしています。このため、男坂・女坂は階段トレーニングにもってこいの隠れスポットとして、一部の猛者には有名です。
調べてみると近くには明神男坂、愛宕山男坂や山王男坂など、男坂・女坂ペアがいくつもあることが分かりました。この際、ぶらり散歩とエクササイズを兼ねて「都内男坂&女坂巡り」をしてみようと考えています。
余談ですが、御茶ノ水駅の近くに「幽霊坂」なるものを見つけました。千代田区だけで3か所もあるとのことで、由来が気になるところです。