Vol.14 軸対称解析比較その2
GTS Tips 2022.03.01前回(Vol.13 軸対称解析比較その1)はGTSNXで軸対称解析と3次元解析との比較(3次元解析の分割数による比較)を行った。 今回は荷重条件の違いによる検証を行う。
1.解析モデル解析モデルを図-1-1,1-2に示す。解析モデルは掘削範囲を幅6m,深さ10mとして半断面(3Dは1/4断面)をモデル化した。 また、地盤は1層モデルとした。
2.地盤条件
地盤物性値を図-2に示す。
3.解析ケース
CASE1 掘削解析 図3-1-1に示す範囲を掘削する解析を軸対称解析で実行する。 同様の解析を3次元でモデル化すると図3-1-2のようになる。
CASE2 分布荷重を用いた解析 図3-2-1に示す範囲に分布荷重を設定した解析を実行する。 本解析で使用したmidasGTSNXは軸対称解析用の分布荷重を設定出来るのでそれを利用して設定した。 3次元解析では図3-2-2に示す範囲に分布荷重を設定した。
CASE3 集中荷重を用いた解析 図3-3-1が示す位置に集中荷重を設定した解析を実行する。 3次元解析では円周方向の線分布荷重として考慮するため図3-3-2に示すように設定する。 集中荷重では分布荷重のような軸対称解析用の設定はないので実際の軸対称解析では図3-3-3に示すように円周方向全体の荷重値を考慮する。
4.解析結果
CASE1 掘削解析による比較
CASE2 分布荷重による比較
CASE3 集中荷重による比較
・軸対称解析と3次元解析の比較
全ケースとも3次元解析の方が変位量は少なくなったが、ほぼ同じ結果が得られた。
今回の検証で軸対称モデルと3次元モデルで等価な荷重(掘削,面荷重,線荷重)を考慮した場合,同等の結果が得られた。
今回行った軸対称解析と3次元解析の比較において、ほぼ同様の結果が得られることが確認出来ました。 ただし、軸対称モデルで考慮できるのは1rad当たりの荷重なのでプリ上は集中荷重でも,実際には載荷点から中心までの距離を半径とした円周に載荷される線荷重となる点に注意が必要です。